精神科訪問看護全般
2025-10-02
アンコンシャスバイアスって何???

「アンコンシャスバイアス」とは?~まずはアンコンを知ることからはじめてみませんか?~
私たちは日々、数え切れないほどの判断や選択をしています。「どの服を着るか」「誰に話しかけるか」「この人は信用できそうか」。こうした判断の多くは、直感的に行われているように感じますが、その背後には実は「無意識の思い込み」が隠れていることが少なくありません。この“無意識の思い込み”こそが、今回のテーマである「アンコンシャスバイアス」です。
この言葉を初めて聞いたという方も多いかもしれません。しかし、このバイアスは誰もが持っているものであり、特別な人にだけ存在するものではありません。
今回はアンコンシャスバイアスの意味と、その具体的な事例を紹介しながら、私たちの生活にどう影響しているのかをお伝えしたいと思います。
アンコンシャスバイアスとは何か?
アンコンシャスバイアス(Unconscious Bias)とは、「無意識の思い込み」を意味します。
何故無意識に思い込むのかには理由があります。私たちの脳は日々膨大な情報を処理しており、すべてを論理的に判断することはできません。そのため、過去の経験や文化、教育、社会的影響などをもとに、「これはこういうものだ」と自動的に判断してしまう傾向があります。
この自動的な判断は、必ずしも悪意があるわけではなく、むしろ生存のために必要だったとも言えます。たとえば、過去に危険だった状況を記憶しておくことで、次に同じような状況に出くわしたときに素早く回避できるのです。しかし現代社会では、このような直感的な判断が、ときに不公平や差別を生み出す原因となることがあります。
アンコンシャスバイアスの種類と例
アンコンシャスバイアスにはさまざまな種類があります。以下はその一部ですが、どれも私たちの日常に深く関わっています。
1. 性別によるバイアス
「男の子なんだから泣かないの」「女の子はおしとやかに」など、幼少期から刷り込まれる性別に関する固定観念。社会的に男女の役割が変化している現在でも、無意識のうちにこうした考えを持ってしまうことがあります。
2. 年齢によるバイアス
「若いからまだ経験が浅いだろう」「年配だからITには弱いはず」など、年齢を理由に能力を判断してしまうこともあります。これは職場における昇進や採用にも影響を与える可能性があります。
3. 外見によるバイアス
服装や髪型、体型、肌の色などでその人の性格や能力を判断してしまうこと。たとえば、「スーツを着ている人は信頼できそう」「タトゥーがある人は怖い」といった印象ってありませんか?
4. 国籍・出身地によるバイアス
「外国人だから日本語は話せないだろう」「関西出身だからノリがいいに違いない」など、出身地や国籍による思い込みもあります。こうした偏見は国際的な交流や多様な働き方を阻む壁になることがあります。
5. 育児や介護に関するバイアス
「女性が育児をするのが当たり前」「介護は家族がするもの」など、家族の役割に対する無意識の思い込みも根強く存在しています。
アンコンシャスバイアスがもたらす影響
こうしたバイアスが無意識のうちに働くことで、以下のような影響が出る可能性があります。
職場での採用・昇進の不公平
チーム内のコミュニケーションの分断
新しい出会いや価値観の拒否
差別やハラスメントの温床
たとえば、履歴書に外国人風の名前が書いてあるというだけで、書類選考に通らないといった事例も海外では報告されています。日本でも、性別や年齢によって昇進や職務内容に差があると感じる人は少なくありません。
なぜ今、アンコンシャスバイアスに注目すべきなのか?
現代は、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包括性)が重視される社会です。多様な人材が共に働き、生活していく中で、無意識の偏見は時として壁となり、摩擦を生む原因になります。
一方で、このバイアスに気づき、意識的に向き合うことで、より柔軟で豊かな人間関係や職場環境を築く可能性が広がります。
だから実際に、多くの企業や教育機関がアンコンシャスバイアスの研修を導入しているんですね。
自分も持っているかもしれない
「自分は差別なんてしない」「偏見なんてない」と思っている方こそ、要注意です。アンコンシャスバイアスは“無意識”であるがゆえに、日常に溢れていて誰にでもあるもの、なのに、自分で気づきにくいものなんです。
たとえば、血液型が〇型って聞いただけで、あ、こんな性格かもって思ってしまったり、パイロットと聞くと男性が浮かんだり、みんなやってるから大丈夫というのもアンコンシャスバイアスのひとつです。
こんな風にどこにでも誰にでもあるアンコンシャスバイアスなのですが、これに気が付くと生活がどう変わるのか?
次回は、気付いたらこんなに変わる!をご紹介したいと思います。
アンコンシャスバイアスは「気づく」ことからすべてが始まります。そして、その気づきが人間関係や職場、さらには自分自身の成長にもつながっていくのです。
次回のブログでは、アンコンに気づくとどんな変化があるのかについてお伝えしていきます。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。