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精神科訪問看護全般

2025-04-08

春のメンタルケア~体調不良を乗り越える食生活と生活リズム~

春の体調不良を乗り越える食生活と生活リズム


こんにちは。聴き上手です。
春は、気温や気圧が大きく変動する季節。冬の寒さがゆるみ、暖かくなってくると、心も体もホッとする一方で、体調やメンタルが不安定になる方も少なくありません。

「なんとなく体がだるい…」
「眠いのに眠れない」
「気分が落ち込みがちで、食欲もない」
そんな症状を感じている方も多いのではないでしょうか。

今回は、春特有の体調不良を和らげる「食生活」と「生活リズム」の工夫についてご紹介します。


■ 春の“なんとなく不調”は、自律神経の乱れが原因かも?
前回も自律神経について触れましたが、春は「三寒四温」とも言われるように、寒暖差が激しく、また日照時間の変化や新しい環境によるストレスが重なることで、自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが乱れやすい季節です。

自律神経が乱れると、以下のような症状が出やすくなります:

体が重くだるい
朝起きられない・眠気が続く
胃腸の調子が悪い・食欲がない
めまいや頭痛がある
気分の波が激しい

等々色々とありますね。精神疾患をお持ちの方は、もともと体調やメンタルのバランスが崩れやすいこともあり、こうした季節の変化による負担をより強く感じやすい傾向があるといえます。


■ 食生活で“体の土台”を整える
「体調が悪いときほど、食べるのがつらい…」という声もよく聞きます。
でも、実は少しの工夫で、体調回復を助ける食生活に変えることができます。そのポイントについてまとめてみました。

① 温かくて消化の良いものを選ぶ
春の寒暖差で胃腸が弱っているときは、無理にたくさん食べようとせず、寧ろ量は控えめにしましょう。そして、内容としては胃にやさしい、温かいものを少量ずつとるようにしましょう。

例えば
おかゆ、雑炊、うどんなど
スープや味噌汁(具だくさんで栄養アップ)
野菜を蒸したもの(にんじん、かぼちゃなど)蒸野菜は調理時に油を使うことがないので、より、胃にもやさしく、火を通すので消化にも良いと言われています。

避けたいもの
「冷たいもの」「脂っこいもの」「甘すぎるもの」は、春の不調を悪化させることがあるので、避けるのが無難です。


② 気分を安定させる栄養素を意識する
食事でメンタルを支えることも可能です。特に以下の栄養素は、気分の安定や自律神経の調整に関係しています。

栄養素としてはビタミンB群を積極的にとりましょう。サプリメントも上手に使うといいですね。鉄分不足もうつ症状の原因になると言われています。採血項目ではフェリチン(貯蔵鉄)を追加して調べてみるとよいでしょう。
効果と含まれる食品例です。
【ビタミンB群】
〇疲労回復・神経の働きサポート
◇豚肉・納豆・玄米・卵
【トリプトファン】
〇セロトニン(幸せホルモン)の材料
◇バナナ・牛乳・豆腐・チーズ
【マグネシウム】
〇神経の興奮を抑える
◇海藻類・ナッツ・大豆製品

これらは一例であり、無理なく、日常に取り入れられる範囲でOK。訪問看護でも、体調や食事の相談を受けることがよくあります。気にしすぎて食事が楽しくなくなってしまうとよくないので無理せず取り入れやすいものから取り入れていきましょう。


■ 生活リズムは“整えすぎなくていい”
春はどうしても眠気が強くなったり、起きられなかったり、生活のリズムが乱れがちです。「ちゃんとしなきゃ」と思いすぎると、かえってストレスが大きくなります。

ポイントは、「できる範囲で、少しずつ整えていく」ことです。

① 朝の“光”で体内時計をリセット
朝は、カーテンを開けて日光を浴びましょう。太陽の光には、体内時計をリセットして、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を整える働きがあります。
まずは窓を開けて風を感じるだけでもOKです。できることから「始める」「行動する」、まずやってみることが大切です。

② 無理のない「朝のルーティン」をつくる
起きる時間が日によってバラバラな方は、「これをしたら1日が始まる」というルーティンを決めると心が落ち着きます。
【例】
コップ1杯の水を飲む
音楽を流して軽くストレッチ
好きな飲み物をゆっくり飲む
“ちゃんと起きなきゃ”ではなく、“気持ちよく一日を始められる工夫”として取り入れるのがおすすめです。


■ 気分と体調の両方を見つめる習慣をつける
体調が悪いと、気分も落ち込みがちになります。逆に、気分が不安定だと、体に異変を感じたり、痛みや不快感を感じることがあります。
こうした「こころとからだ」の関係を、切り離さずに見つめることが、春の不調とうまく付き合うための大切なポイントです。バランスが大切です。

訪問看護では、「最近、食事はとれていますか?」「眠れていますか?」「気分の変化はどうですか?」といった生活の視点で、こころとからだの両面からサポートを行っています。


■ 最後に
春は、芽吹きの季節であると同時に、体と心のバランスを崩しやすい、繊細な季節でもあります。

「どうしてこんなにだるいの?」「また何もできなかった…」と責めるのではなく、
「今は春だから、ちょっとゆっくりしていいんだ」と、自分にやさしく声をかけてあげてください。焦りは禁物です。焦ったり、自分を責める気持ちから視野が狭くなると、全体の流れが見えにくくなり、負の循環がおきて気持ちがふさいでしまいます。

今日のご飯は何にしよう?
明日はどんな音楽を聴いてみよう?
読んでなかったあの本を読んでみようかな?
好きなものを少しだけ楽しんで食べる
お風呂にゆっくり浸かってみる
アロマを使ってリラックスする時間をつくる
野の花を摘んできて飾ってみる

生活の中の小さな楽しみを見つけながら、春を乗り越えていきましょう。
そんなあなたの生活のお手伝いをさせていただきます。訪問看護ご利用を検討されている方は是非一度ご相談ください。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。