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精神科訪問看護全般

2025-03-04

WRAPについて

みなさんこんにちは精神科に特化した訪問看護聴き上手です!
先日リカバリーカレッジあかしにおいて増川ねてるさんにお会いすることができました。

ねてるさんは病気の体験者であり、WRAPのファシリテーターなどで活躍されています。

WRAPもアメリカではどんどん洗練されているということや、WRAP以外にも様々なプログラムが開発されているそうです。

ねてるさんはWRAPに出会うまで、自分でできる対策は「頓服をのむ」ことしかなかった。そして、薬で脳をコントロールしようとして薬物依存になり、そこからWRAPに出会ってリカバリーされた方です。
ねてるさんは言葉の定義をとても丁寧に扱って、実体験からリカバリーのヒントになるお話をしてくれました。

WRAPをご存じない方もいらっしゃるかもしれませんので今日はWRAPについて簡単にまとめてみようと思います。

WRAPとは?
WRAP(Wellness Recovery Action Plan、元気回復行動プラン)は、精神的な健康を維持し、回復を支援するための自己管理プログラムです。米国でメアリー・エレン・コープランド氏によって開発され、世界中で広く活用されています。特に精神障害を持つ当事者が自分の健康を主体的に管理するためのツールとして多くの人が利用しています。

😁WRAPの基本構成
WRAPは、以下の要素から構成されています。

1. 元気に役立つ道具(Wellness Toolbox)
自分にとって気分を良くする行動や活動をリストアップします。例えば、好きな音楽を聴く、散歩する、友人と話すなどが含まれます。

2. 日常生活管理プラン(Daily Maintenance Plan)
自分が「元気でいるとき」「いい感じの自分」の状態を明確にし、それを維持するための具体的な行動のことをいいます。
例えば、午前中には起きて朝陽をあびる、30分はお昼寝をする、一日1回はストレッチするなどです。

3. 引き金(Triggers)と対処法
ストレスや不安を引き起こす要因を特定し、それに対処するための方法を準備します。
例えば、苦手な場所、苦手な時期、言葉、人の態度など、不調の引き金となる要因を明確にして、対処方法を準備しておきます。

4. 警告サイン(Early Warning Signs)と対応策
精神状態が悪化する前兆を知り、それに適切に対処することで悪化を防ぎます。
毎日できている〇〇ができなくなる、とかやたらと予定を詰め込むのがサインとか人によってそれぞれサインがあります。

5. 危機時の対応プラン(Crisis Plan)
自分が危機的な状態になったときにどう対応するかを事前に決めておくことで、周囲のサポートを受けやすくします。
WRAPでいうクライシスプランは自分で対応ができなくなった時に、周りの人にお願いしたいことを伝えておくために作成します。
3日まではそっとしておいて、4日目になっても回復の兆しが見えなかったらメールがほしいとか。家族に連絡してきてもらうように言ってほしいとか。高価な買い物は絶対にダメと止めてほしいとか。

6. 回復後の計画(Post-Crisis Plan)
危機を乗り越えた後、どのように生活を立て直していくかを考えます。
回復には時間がかかることが殆どです、まずは1週間はごろごろする、2週間目から安心できる場所で一日数時間は過ごしてみるようにするとか、料理をはじめるとか・・・自分なりのプランを立てておきます。


😁WRAPのメリット
WRAPの最大のメリットは、「自分自身が回復の主役である」と認識できることです。人生に問題がおきても、リカバリーできる!自分らしく生きる事、主体的に生きる事、本来の自分として生活を送るための実用的なガイドとなります。また、自分でできることを増やせる点も大きなメリットと言えますね。

😁WRAPの活用方法
WRAPは、個人で実践することもできますが、グループで話し合いながら作成するのも有効です。仲間と共に経験を共有しながら、自分に合ったプランを作成することで、より効果的な自己管理が可能になります。

😁まとめ
精神障害当事者にとって、WRAPは日常生活の質を向上させ、自己管理能力を高めるためにはとても使えるツールです。主体的に生きることで、自分を信じる気持ちが育まれます。人生にはいろんなことが起こります。病気や様々な出来事でマイナスになっても、まずはゼロベースまでリカバリーできる!リカバリーを信じることで失敗できる人生になり、失敗は人生に学びと成長を与えてくれます。

今日もさいごまで読んでいただきありがとうございました!