精神科訪問看護全般
2025-02-12
希望と未来、回復について

こんにちは、聴き上手訪問看護ステーションです。
加古川でステーションを開設して、まもなく1年(令和7年4月)。 たくさんの方との出会いがあり、様々な物語を共にしてきました。
来年に向けて、どんな看護を届けられるだろうか? 私たちも希望をもって未来を見つめています。
今日は、精神障がいを抱える方々が、 希望を持って生活するために、私たち看護師ができることを 一緒に考えてみました。
回復の道のりのなかでは、希望とは逆に「もう、良くならないんじゃないか…」 「このままの状態が続くのかな…」なんて考えてしまう時がありますよね。
回復があるかないか? それは、希望を持っていられるかどうかと、 深く繋がっていると私たちは考えています。
希望を持つということは、未来を見ること。 未来を見ることを諦めてしまった時、 人は希望を失ってしまうのかもしれません。
だからこそ、 希望を持って未来を考えることができるような そんな支援を、私たちは お届けしたいと思っています。
◆◆◆希望を育むために、大切なこと◆◆◆
あなただけの物語を大切に・・・・・!こころの病気、障害は、人によって症状も、生活への影響も異なります。 あなたの強み、興味、得意分野は何ですか? 過去に何かを達成した経験はありますか?
あなた自身の物語を大切にしながら、 これまでの体験を活かせる目標を一緒に探しましょう。 小さな目標を積み重ねていくことは達成感や自分への肯定感を感じさせてくれます。
人は自分の小さな変化、微差には鈍感です。でも日々の微差が大差を産みます。あなたの微差は私たちがフィードバックします。どうか自分を見失わないで少しずつでも歩みを進めていきましょう。
そして、今もそんなに悪くないってことに気が付いてほしい。今はSNSでキラキラした人生を誰もが発表できる時代。でも、リアルな生活は?そんなに毎日キラキラしてない(と思いますがどうでしょうか・・・・(;^_^A)。でも、ちゃんと見てあげると小さな「良かったこと」や「ありがたいこと」が見えてきます。自分の機嫌は自分でとる、それができるようにまずは今の自分もそんなに悪くないぞってことに気が付いてほしい。
◆◆◆支えとなる場所を築く◆◆◆
安心して相談できる相手はいますか? 家族、友人、医療機関、支援団体… 誰でも良いのです。 話を聞いてくれる人がいるということは、 大きな支えになります。
地域には、あなたをサポートする様々な資源があります。 就労支援、生活支援、交流会… 必要な情報を提供し、活用を促すのも 私たちの役割です。
目標を達成するために、 一緒に具体的な計画を立てましょう。 いつ、何を、どのように行うのか? あなたのペースで進められる計画を、 一緒に考えましょう。
目標や計画なんて今はまだ全然イメージできない。そんな方も多くいらっしゃいます。そもそも生活の中に目標や計画なんて必要なの?生きてるだけで精一杯なのに・・・・そんな声もあります。
そんな時は「何がそうさせているの?」という魔法の言葉があります。人は「何故そうなるの?」とか「何故そんなことをしたの?」と問われると責められているような気持になり、前に進む勇気を持ちにくくなります。
そんな時にはこの魔法の言葉「何がそうさせるの?」を使って自分を肯定的に捉えながら少しずつ前に進んでいきましょう。
また、クライシスプランといって、いい感じの自分てどんなときなのか?じゃあちょっとやばくなってきたぞって言う時はどんな時?そんなこんなを具体的にしていく方法があります。自分が青信号の時(いい感じ)黄色信号(ちょっとやばい)の時をキャッチして対策していく方法です。赤信号にならないように、もし、なってもどうやって青信号の自分に戻していくかを決めておきます。いろんな方法があるので一緒に考えていきましょう。
◆◆◆希望の光を見つける◆◆◆
回復には、時間がかかることもあります。 焦らず、ご自身のペースで進んでください。
小さな変化でも、 「昨日より、少し良くなった」 そう感じられたことを、意識すること、それだけでも気持ちが変わっていきます。 小さな変化の積み重ねが、 やがて大きな変化に繋がります。
周りの人の理解も、大きな支えとなります。 あなたについて、等身大の情報を伝え、 周囲の理解を深めることも大切です。家族関係が煮詰まっていて、どうにもならない。そんなところにも訪問させてもらうことがあります。第三者が入ることで風通しがよくなり、今まで話せなかったことが話し合えるようになることもあります。
そして、是非自分の言葉で自分を語る機会をもってください。支援者をきっかけにでもいいですし、信頼のおける誰かがいればその人からでも。自分の言葉で自分を語ることは癒しであり繋がりへの第一歩です。そして、なにより自分の声を自分に届けることが大切です。自分の声を無視し続けた結果、わからなくなってしまい、病気になってしまうというパターンがあります。そこから脱却するためには自分の言葉で話すこと、そして自分のこころの言葉を自分でちゃんとキャッチすることが大切です。
また、同じような経験を持つ人たちの話を聞いたり、 交流することも、孤独感を軽減し、 希望を見出すきっかけになるのではないでしょうか。そういった機会へのチャンネルを提供したり、情報をお伝えすることも私たちの支援の大切な役割の一つと考えています。
どんなことでも、 まずは話してみてください。 一緒に考え、一緒に悩み、 一緒に歩んでいきましょう。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。