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精神科訪問看護全般

2024-08-21

自責の念は自己中心的思考の現れ!?

みなさんこんにちは。精神科に特化した訪問看護聴き上手です。私が訪問している方の中に、自責の念が強く、いつも物事を悔いている人がいます。何度も同じエピソードが語られ、そのたびに自分の気持ちが傷ついて苦しくなってしまう。同じことを思考することで、ますます深みにはまっていきます。今日は自責の念を抱きやすい人の特徴をみていきます。自分にも当てはまるかな・・・・と思う方は傷の浅いうちに考えを切り替えていきましょう。「思考」も生活習慣の一つ。悪習にまず気が付くことが大切です。そして、それを重ねることで病に傾いていく自分にストップをかけていきましょう。自分で変えられるところは自分で切り替えていく、そんなところをお手伝いするために日々訪問しています。

★まず、気付こう【自責の念が強い人の特徴と対策まとめ】

1. 完璧主義
自責の念を持つ人は、しばしば完璧主義的な傾向があります。自分に対して非常に高い基準を設け、その基準に達しなかった場合に自分を厳しく責めることがあります。このような人は、小さなミスや失敗でも過度に自分を責め続けることがあり、そしてそれは時に周囲の人たちに向けられることもあります。自分の求める完璧さの基準に達していないとジャッジした人に対してネガティブな感情を抱きやすくなります・・・。このような傾向を持つ人は人生の中で何度か「完璧主義」を指摘されたことがあるのではないでしょうか。そのたびに「私なんかいい加減で、こんなの完璧主義って言わないわ。」と心の中で呟いていたかも。その呟きがとても完璧主義っぽいことに気が付いてください。

2. 自己評価の低さ
自己評価が低い人は、自分の価値を過小評価しがちです。その結果、自分が何かを失敗したり、期待に応えられなかったりしたときに、自分を過度に責める傾向があります。自己否定的な考え方が強く、他人からの批判や否定的なフィードバックを過剰に受け取ることがあります。ポジティブな言葉や態度を受け取ることが苦手で、そういうことを無意識に否定してしまいがち。褒められた時に「どうせお世辞。」だと思ってしまう人は要注意です。そういう傾向が強いなと自覚がある人は、日常の些細なことに目を向けるように意識をしてみてください。自分では「こんなこと、できて当たり前。」と思うようなことは実は他の人には難しいと感じることもあるのです。些細でちいさな、自分にとっては当たり前、の「できてること」「うまくいっていること」を見つける。そして、「あ、できてるな。」「いいとこある。」と意識を向けてください。その積み重ねが自己認知を変えていきます。また、他人との比較の中で極端に低い自己評価の基準を作っている人もいます。他人と自分を頻繁に比較する人は、比較の結果として自分を責めることが多くなります。他者の成功や能力と自分のそれを比較して、劣等感を抱き、自分に対して厳しい評価を下すことがしばしば・・・・。まずは無意識に人との比較を思考している自分に気が付くことからはじめましょう。そして気が付いたら、それは所詮偏った自分の見方であり、正当な自己評価ではないことを認識していくのです。人と比べてできない探しをしている時間を他の事に使おう!と切り替えてください。人の能力や置かれた環境はその人それぞれです。もともと平等ではないのですから・・・。他者との比較をする前に、内省の力を高める事にエネルギーを向けていきましょう。

3. 過去のトラウマや失敗経験
過去に重大な失敗やトラウマを経験した人は、それに関連する出来事が再び起こったときに、自責の念が強まることがあります。過去の出来事が未解決のままであると、同じような状況に直面したときに再び自分を責める傾向があります。深刻なトラウマがある場合には心理士や専門医の治療が必要な場合もあります。失敗体験が重なった時、過去の良くないことが解決できないまま今に至る場合について、よく過去は変えられないと言いますが、それは正解のようで正解ではありません。というのは、人は結局「今」の事しか思考できないので、記憶の中の過去は「今」考える「過去」なのです。なので、今の生活が安定したものになれば、過去の見方も変わってきます。そして、今をよくするためには今からできることがあるはず。そこに少しずつ取り組んでいけば未来が変わり、その未来からみた過去は決してあなたを苦しめるものではないはずなのです。

4. 他者からの期待やプレッシャーを感じやすい
自責の念が強い人は、他人の期待に敏感であり、その期待に応えられなかったと感じたときに、自分を責めることが多いです。家族や職場の同僚、友人からのプレッシャーを強く感じ、それが自責の念を引き起こす原因となることがあります。他者の期待に過度に答えようとする人は、他者から見た自分に囚われているとも言えます。他者の期待と、自分を切り離して考えることができるようになるためには、自分の軸を持つことです。そもそもこれってなんのためにやってるんだっけ?と一旦止まってみることも大切。自分の成長のために引き受けたことなら自分の為にやればいいこと。〇〇さんの為にやってみようと思って決意したことなら自分のやれる範囲の事をやればいい。そうやって自分の目的を整理し、軸を自分に戻していくことが大切です。また、自責の念が強い人は、他者の評価や意見に過度に依存しているとも言えます。他者からの否定的な評価を必要以上に重く受け止め、それを自分に対する責めとして感じることが多いです。自分の中にある「こうあるべき」とか「こうあらねばならぬ」という思い込みを捨てて、「否定的な評価」だと思った意見の本質に目を向けるようにしてみましょう。否定的な評価は必ずしも「攻撃」ではありませんし、時にはあなたを成長させてくれるヒントを与えてくれるものかもしれません。過度に反応しているのかもと冷静な視点を取り戻し、捉え直してみましょう。

5. ネガティブな思考パターン
自責の念を持つ人は、ネガティブな思考パターンに陥りやすいです。たとえば、物事の悪い側面ばかりに焦点を当てたり、自分のミスを過剰に大きく捉えたりすることがあります。このような思考パターンは、自責の念を強める要因となります。自分がそうしているから苦しいということに気が付いていない人がいます。「なんで私はこんなに苦しいんでしょう。〇〇さんなんて何も考えてないのにいつも楽しそうで・・・。」「私はこんなに頑張ってるのに・・・・誰もわかってくれなくて辛い。」どれも他人軸の考え方ですね。じゃあ、自分は本来どうしたいのかな?という自分軸に切り替えていきましょう。

6. 感情のコントロールが難しい
自責の念を強く感じる人は、感情をコントロールするのが難しいことが多いです。自分に対する怒りや悲しみ、後悔などの感情が制御できず、それがさらに自分を責める行動につながることがあります。こうなると悪循環を繰り返していきます。俯瞰的に自分を捉え直すことができるような環境に身を置く努力をしてみてはどうでしょうか。利害関係のない、フラットな感情でいる人に話を聞いてもらうとか、何を話しても安全な場と感じられるところで一度自分の事を話してみるのもいいかもしれません。感情の起伏が他者に向く場合もあります。いずれにしても自分に負のリターンが蓄積していくこととなりますので、感情を自分、または、他者に向ける前にその感情と自分を切り分けて「俯瞰して見る」ことが大切です。感情のもっていきかたの癖を変える事ができれば、段々と、これまでと違った反応が自分自身に返ってくることに気が付くでしょう。




以上自責の念が強い傾向がある人の特徴と対策をまとめてみました。過度な自責の念は日常生活において困難を引き起こす原因となることがあります。そして、実際にはもっといろんな感情が絡み合ってこころの病気になることもあります。
そうなる前に、「話すことはこころの薬」、周囲にこころを開いて話してみることもひとつです。今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。