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精神科訪問看護全般

2024-07-12

承認欲求について

承認欲求は、他者からの評価や認められることへの強い渇望を意味し、多くの場合、自己価値を他者の意見や評価に依存させる結果となります。承認欲求の奴隷になって生きるということは一体どういうことなのでしょうか。この状態は、自己成長や幸福感を阻害し、長期的に度が過ぎた状態が続くことで精神的な健康を損なう恐れも含んでいると言えます。

まず、承認欲求の奴隷となることは、自己評価を他人の意見に依存させることになります。例えば、SNSでの「いいね」やコメントの数に一喜一憂することがあります。これは、自分の価値を他人の評価に基づいて測るという行為です。そのため、他人からの評価が得られないと、自信を失い、自己嫌悪に陥ることがあります。本当は他人の「いいね」なんて自分の人生に何の関係もないですから、本来そのようなことに一喜一憂する必要はないと思います。

また、承認欲求の発動するままに生きていると、自分自身の価値観や目標を見失うことがあります。他人からの承認を得るために、自分の本来の願望や興味を犠牲にしてしまうことがあるからです。例えば、これはほんの一例ですが、親や友人の期待に応えるために、自分が本当にやりたいことを諦めてしまうことがあります。これは、自己実現を妨げているかもしれませんし、人生における満足感や充実感を大きく損なうことになります。

さらに、人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。他人からの承認を得るために、自分を偽ったり、無理をしてしまうことがあるからです。例えば、友人や同僚に対して、常に良い印象を与えようと過剰に努力することがあります。これは、真の自分を見失い、表面的な関係に終始する原因となります。また、このような関係は、長続きしないことが多く、最終的には孤独感を感じることになります。

このような状況に悩んでいる方も多いと思いますが、解決策はあります。

まず、自分自身を認めることが重要です。他人の評価に依存せず、自分自身の価値を見出すことが大切ですね。等身大の自分を一旦みつめてみることです。自分の強みや成果を冷静に振り返り、自分自身に対して肯定的な評価をしてみることです。また、自分の価値観や目標を明確にし、それに基づいて行動することも重要です。これにより、他人の期待に振り回されることなく、自分らしい生き方を守ることができるのではないでしょうか。私はよく自分に「所詮私は自然の一部、自然に生かされているだけのちっぽけな存在だ。」と考えるようにしています。それは、ちっぽけな存在だから意味がないということではなく、本来様々な自然の恩恵を受けて生かされているのだから、小さなことにも感謝の気持ちを持って一日一日、目の前のことを大切に生きていればそれでいいと考え、自分の原点に立ち戻るためです。

他人との比較を避けることも大切です。他人の成功や評価に対して過剰に反応するのではなく、自分自身のペースで成長していくことが大切です。これは、自己成長のプロセスを楽しむことであり、他人と比較するのではなく、昨日の自分と今日の自分を比較することを意味します。日々日々の成長はわかりにくくても、数年前の自分と比べてみたらどうでしょうか、多少なりとも物事への理解が広がったり、視野を広く持つといった成長への変化がみられるのではないでしょうか。

最後に、基本的には感謝の気持ちを持つことも承認欲求から解放される助けとなります。他人からの評価に過剰に依存するのではなく、自分が持っているものや経験に対して感謝することで、心の平穏を保つことができます。これは、言い換えれば日々の小さな喜びや成功に目を向け、それを大切にすることだと言えますね。

承認欲求の奴隷にならずに生きることは、自己成長と幸福感を追求するためにとても重要です。自分はそんな風には生きていないという人も一度自分を見つめなおしてみてください。今の世の中には「評価」の仕組みがありとあらゆるところに存在します。いつも何らかの評価にさらされて生きている。無意識に承認欲求をくすぐられる仕組みがそこらじゅうに存在していると思います。そのようななかで、他人の評価に依存せず、自分自身を認め、感謝の気持ちを持ちながら、自分らしい生き方を追求することは容易ではありません。ですが、少し意識を変えて等身大の自分を大切にすること、これにより、より充実した、満足感のある人生に少し近づくと思いませんか。あなたの人生は、あなた自身が主役です。どうか、自分自身を大切にし、自分の価値を信じて歩んでください。自分自身も含め、そんな風に人生を幸せに歩める人が一人でも増えることを願ってこの仕事をしています。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。