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2024-07-05

改めて精神科特化の訪問看護についてお話します。〔求職者向け〕

精神科訪問看護は、地域生活をされているメンタルケアを必要とされている方々にとって非常に重要な支援です。病院やクリニックでの治療とは異なり、訪問看護師がご利用者様のご自宅に直接訪問し、個別のケアを提供することで、よりきめ細やかなサポートが可能となります。今日は求職者向けに、私共が考える精神科特化の訪問看護についてまとめてみました。


■■■目次■■■

◆精神科訪問看護の役割
◆精神科訪問看護に必要なスキル
◆精神科訪問看護のメリット
◆精神科訪問看護の課題





◆精神科訪問看護の役割
精神科訪問看護の主な役割は、ご利用者様の症状の管理のサポートと日常生活の支援です。ご利用者様が地域で安定した生活を送るために、薬の管理や服薬指導を行い、症状の悪化を防ぐための工夫を共に考えていきます。また、日常生活で直面する対人関係の問題や、家族間の煮詰まり、金銭管理のトラブルなど様々な問題を整理し、よりよい解決方法の糸口をみつけていくためのサポートも行います。例えば、必要な方には居宅介護支援(ヘルパー事業所)と連携して家事支援を行ったり、就労継続支援事業所と連携して、社会的スキルの向上を支援することで、自立を促していきます。再発を繰り返しておられる方には、物事の捉え方など思考の問題に一緒に取り組んでいく場合もあります。ただ、基本的には生活の組み立てを支援していくことが役割ですので、睡眠、食事、生活リズム、金銭管理等の生活の状況を観察し、課題を共有、その課題に共に取り組んでいくことが基本となります。

◆精神科訪問看護に必要なスキル
まずは、地域生活の中で何がおきているのか?観察する力が必要になります。看護師の思い込みや押し付けはタブー。地域生活は一人ひとり個々に異なります。抱えておられる問題も多岐にわたり様々です。まずは丁寧に観察し、ご利用者様のことを知っていく、その心構えが必要です。コミュニケーションの力は言うに及ばずですが、話す力というよりは聴く力を活かす場面の方が圧倒的に多くなります。訪問看護師自身が自分のメンタルケアを適切に行うこと、そして、いつも穏やかで余裕のある状態で傾聴する姿勢が求められます。観察によって問題や生きづらさを理解したら、それをどうやって解決していくか。そこには家族の協力が必要だったり、家族間の人間関係のもつれを解消することが必要だったりします。多職種連携が必要な場合には、立場の違うそれぞの支援者と意見を交わしながら支援を組み立てていきます。そのためには視野の広さやいつも「正解」や「答え」を求めると言った画一的な思考では対応できません。常に俯瞰的視点と近視眼的(緊急性の高い場合など)視点を交差させながら物事を捉えていくスキルが必要になってきます。

◆訪問看護のメリット
精神科訪問看護には多くのメリットがあります。まず、ご利用者様が自宅でリラックスした環境でメンタルケアを受けられるため、病院での治療に比べてストレスが少ないです。自宅でのケアは、より自然な環境で行われるため、回復の効果が高まります。
さらに、訪問看護師はご利用者様の生活環境を直接みせていただくことができるため、より適切なケアを提供することができます。これにより、具体的な生活状況に応じたサポートが可能となり、より実践的な助言や支援を行うことができます。

◆精神科訪問看護の課題
一方で、精神科訪問看護にはいくつかの課題も存在します。まず、訪問看護師の力量や生活感の差が訪問看護の内容に影響することが挙げられます。訪問看護師は一人ひとりのご利用者様に対してきめ細やかなケアを提供する必要があり、そのための準備やフォローアップが必要です。また、訪問先が多岐にわたるため、移動時間やタイムマネージメントが負担となることもあります。
また、ご利用者様のプライバシーを尊重しつつ、安心して訪問を受けられるような環境を整える必要があるのですが、そのような中でご利用者様の状態によっては看護師自身の自分の身の安全が脅かされる場面もゼロではありません。看護師自身が心理的にも、身体的にも安全を確保しつつ訪問看護を継続していくことは今後の課題の一つであるといえます。

◆精神科訪問看護の未来
精神科訪問看護は今後さらに重要性を増すことが予想されます。高齢化社会の進展や精神的な問題を抱える人々の増加に伴い、訪問看護の需要はますます高まるでしょう。技術の進歩により、リモートケアやオンライン診療の導入も進むと考えられますが、直接的な訪問によるケアの価値は依然として高いものです。

訪問看護師の育成や支援体制の充実も今後の課題です。専門的な知識とスキルを持つ訪問看護師が増えることで、より多くの患者が質の高いケアを受けることができるでしょう。また、訪問看護師自身のメンタルヘルスケアも重要であり、サポート体制の整備もこれからの大切な課題といえます。

◆◆◆まとめ◆◆◆
精神科訪問看護は、ご利用者様の生活の質を向上させるための重要なサービスです。ご利用者様が安心して治療を受けられる環境を提供することで、より効果的なリハビリテーションが可能となります。今後も訪問看護の需要が高まる中で、訪問看護師の役割と支援体制の充実が求められています。精神科訪問看護の未来を見据え、より多くのご利用者様が適切なケアを受けられる社会を目指していきたいと思います。